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ー 地域の文化と伝統を伝える ー

飛騨市美術館

2018.08.24

私のお気に入り№13…墨と油彩と岩絵具の縁結び展


私のお気に入りの作品第13弾をお伝えいたします。


 
谷口氏作品の「高山雑詩」です。
小京都「高山」の秋の風景を詠った詩です。霜が降り赤く染まった葉が美しい。そして、なんとも言えぬ奇麗な晩霞(夕焼け)の中に、寺の鐘が響いてくるという意味です。
谷口氏は「澄んだ心地よさや色鮮やかな秋の美しさを表現したいと取り組んだ作品です。」とおっしゃっています。
私は…申し訳ないですが…なかなかその秋の色合いを感じることが難しいのですが…。文字の動きから飛騨の秋の爽やかな、そしてシャープな空気は十分感じることができます。



次に尾下氏作品の「忘れられた自転車」です。
近所にある小屋の後に放置されてしまった自転車。
そこに、昼顔が…1年目はペダルまで…2年目はサドルを見せずびっしりと。3年目には自転車を覆い尽くした姿を…。
自転車に向かう昼顔の熱い戦いぶり、粘り強さの勝負を描かれています。こういった何気ない見過ごしてしまいそうな景色を尾下氏は、うまく切り取って興味深く観察されています。



最後に、今から52年前の昭和41年(1966)週刊 少年サンデーです。1冊50円(現在の500~700円の価値。子にとって月2~3千円の出費は痛かったはず。)
創刊は、S34年。この頃までは、挿絵読み物が中心。39年東京オリンピック前後から一気に、漫画ページが増えたようです。
藤子不二雄さん「おばけのQ太郎」手塚治さん「バンパイヤ」横山光輝さん「伊賀の影丸」赤塚不二夫さん「おそ松くん」など…いわゆる「読み物」から「まんが」全盛期といえるラインナップです。
しかし、なかでも注目したいのは、表紙「アポロ」や特集「第二次大戦の鬼戦車」など写真と見間違う挿絵です。アポロ11号の月面着陸はこの3年後の69年7月です。また、大戦20年後の高度経済成長まっしぐらの時です。
当時親には「まんが」なんかと嫌われていた「雑誌」のようですが、子供たちに夢を与え、改めて平和を訴えるため「小松崎 茂」さんや「高荷義之」さんの恐ろしく真に迫る画力に圧倒されます。
皆様、是非とも本物を間近にして、ご覧ください。
 
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飛騨三女展
期間:9月5日(水)まで
開館時間:9:00~17:00
入館料:一般200円、高校生以下無料
※障がい者手帳の交付を受けている方と20名以上の団体は20%割引
休館日:月曜日
   私のお気に入り№13…墨と油彩と岩絵具の縁結び展
  • 飛騨市美術館

    飛騨市美術館

    ヒダシビジュツカン

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    TEL:0577-73-3288

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