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ー 地域の文化と伝統を伝える ー

飛騨市美術館

2018.08.11

飛騨三女展…墨と油彩と岩絵具の縁結び

飛騨市古川町ご出身の足立洋子さん(洋画)、尾下和子さん(日本画)、谷口清子さん(書道)の三作家のコラボ作品展を実施しております。811日~95日)


昭和十年代生まれの三氏の多感な青春時代は…
まさに変化の大きい戦中戦後でありました。


その昭和の激動混乱期と高度経済成長期を女・妻・嫁・母として過ごしながら、出会い精進してきたそれぞれの芸術の世界。


「平成の時代」を終了する今、八十路を迎えることを機に展覧会を開催する運びとなりました。
現在も益々、精力的に制作活動に励む三氏の「頑張る気力・精神力」を…その作品とともに感じていた
だきたく存じます。


尚、三氏の作品を生み出した背景に合せ、市内有志の方々から「昭和の香りを持つ品々」をお寄せいただき、館内展示しております。
書画の作品とともに昭和の息吹を感じていただければ幸いです。
是非皆様、心の癒しに当館までお運びいただきますようお願い申し上げます。


私のお気に入りの作品の見どころを今後シリーズでお伝えいたします。
まず今回は、ポスターに掲載している作品です。
本館「やすらぎの間」に展示中。尾下氏の「初夏」です。



 
尾下氏は、近所にある何気ない景色をシャープに切り取り、スポットをあてる作家といえるでしょう。

これは、尾下氏の近所にある板塀です。
その下側から顔をのぞかせていたドクダミです。
散歩道とはいえ普通は気付かない、と言いますか、気にもかけない足下にある雑草の事です。


見捨てられそうな草の生命力に対する敬意と思いやりを寄せる度量があるから…こうして画材として取り上げることができたのでしょう。


 そして、もう一つの注目は、岩絵具の色使いです。
薬草とはいえ、とかく厄介者にされるドクダミ。
しかし、尾下氏の感性マジックによって…ドクダミの花そのものの可憐さを、より多く引き出すために…葉と壁の色に相当なる工夫をされていると思います。


 私は、そんなことを考えながら尾下作品を見て、日本画の良さを感じています。
皆様、是非とも実物の作品を間近にして…体感してみてください。

飛騨三女展…墨と油彩と岩絵具の縁結び
  • 飛騨市美術館

    飛騨市美術館

    ヒダシビジュツカン

  • 〒509-4221 岐阜県飛騨市古川町若宮2-1-58

    TEL:0577-73-3288

    FAX:0577-73-5003

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